鳥取旅行1日目 レンタカー調達編

鳥取はご存知の通り田舎である。僕は「鳥取に行くよ」とジョニーに言った。彼はまるで高級な肉を腐らせたかのようにやれやれ、と首を振り「古来、鳥取へ続く峠を越えると馬と人間の数が半分になるんだぞ」とか「鳥取はまだガソリンが流通していないから馬に乗って移動するんだ」とか「毎年、何人かの娘が山賊や野生の虎にさらわれるそうだ」と言った。

 

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鳥取市周辺の観光スポットを見て回るには間違いなく車が必要である。東京や大阪のように公共交通を頼りにできるほど現代的な街ではないし、自転車とか徒歩で移動できるようなのどかな状況ではなかった。

 

だからニコニコレンタカーに課金して車を調達した。結局、24時間で約250キロ車を運転した。ちなみに、レンタカー屋さんはニコニコレンタカーが最も安かった。ただ、ニコニコレンタカーはナビがオプション(1日500円だった)で車もやや古い。ニッポンレンタカーとかタイムズカーシェアリングは値段も車もほとんど変わらない印象。車などは動きさえすればそれ以外は軽トラもポルシェもパトカーも本質的には同じだと思っている。動くか、動かないか。というわけで僕はニコニコレンタカーでワゴンRを調達した。

 

 

鳥取駅から岩美

 

岩美は鳥取市の東側にあって、車で30分くらいだった。岩美は海が綺麗という一点において有名である。まるで透き通るように透明な海で遊覧船やダイビングもできる。砂浜があるので海で遊ぶこともできそうだ。僕は朝7時くらいに到着して30分くらい海岸線を歩いていた。ベンチもあったし、年金受給の権利を得た暁にはここで本とか読みたいと思った。

 

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伝説によると、岩美の海で溺れた者は、美しい人魚により救助され、お見舞いとして70人の美女が天から与えられるという。で、思考力が不自由な男たちは台風やシケの日になると体に石を巻いて、海に飛び込み、人魚との出会いを求めるのである。

 

 

雨滝

 

岩美から車で1時間くらいの所に滝があってそれは雨滝と呼ばれている。勘違いしないで欲しいのだが、「車で1時間」というのは僕が運転するペースで1時間、という意味である。僕はガソリンが惜しいので常にノロノロ運転をしているし、友達から「あいつの車を見たらブレーキに足を置け」と言われている。実際、この時も何回か道を譲った。

 

直線が続く農道を経て、ワインディングロード(当然滝は山の中にある)に続くのだけれど、交通量が少なし、オービスも無い(お巡りがいるかもしれないが)。ビュンビュン車を飛ばしたくなる条件は揃っているし、実際みんな飛ばしていた。

 

雨滝には8本の滝が流れている。駐車場から一番近い滝まで行くのに歩いて10分。その次の滝まで20分くらいかかった。いくつかの東屋があるので、弁当を持ってきてここで食べるとか、本を読むとかするにはいい場所だと思っている。

 

僕は全身に溜まった、まるで黄ばんだ古いシャツのような煩悩と未練を洗い流すために滝に打たれて身体を清めようかと思ったのだが、寒いのでやめた。寒さに負けたことこそが煩悩の発端なのだ。真冬の凍るように冷たい滝に打たれなければ行けないと思った。果たして無事に帰ってくることができるのだろうか。

 

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