キャンプ場バイト日記「夜のナイトゲーム」 vol 2

この続きである。

キャンプ場バイト日記「ウキウキしながら何しちゃう?」 - 大和さまのブログ

 

寮に泊まり込みながらキャンプ場でバイトしている。バイト人員の入れ替わりはあるのだが、5人位でシェアハウスするイメージ。

 

バイトが終わった後、寮での夜はフィーバータイム。ガンガンダンスミュージックをかけながら、まるで大きく息を吸うように酒を飲み、大声で叫びながらマリファナを決めた、というのは嘘だけれど、寮の夜が楽しいというのは事実である。

 

とりあえずみんな馬鹿みたいに筋トレをする。脳みそを売って筋肉が手に入るなら嬉しい、と元自衛官は言った。まるで部活のように皆、体を鍛えていた。当然ランニングに精を出す者もいて、1キロ2分30秒のペースで走っていると聞いた。彼らは、筋トレの後のビールが堪らなく美味しいと言った。「キャバ嬢と飲むシャンパンより、筋トレをした後のビール」「ビールを味わうために筋トレしてるまである」という名言が聞こえた。

 

みんなで「ゔぁーああぁぁぁああ@/¥&%#*+ぁああ」とか「うあぁんっ」などの声を漏らしながらトレーニングしたこの夏の思い出は僕の胸に残り続けるだろう。まるで岩に刻まれた文字のように。

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寮には任天堂・スイッチが置いてある。寮にいる間は

 

①筋トレ②飲酒③スイッチ④スマホ

 

のどれかだった。

 

特に皆んなでスイッチをする。というか、寮にいて皆んなで一緒に遊ぶためのツールがスイッチしかないから必然的にスイッチの稼働率が上がる。さすがにお家ごっこをやるような年齢ではないのだ。

 

誠に残念ながら僕にはゲームに関する才能がない。DS、Wii、Switch、プレステ、世の中には数多のゲーム機が存在するが全てにおいて勝てない。友達とゲームして遊んでもだいたい俺がカモにされて、口の悪い下劣な奴から「マリアナ沖を飛ぶ零戦」とか「甲子園に出てくる新潟代表(だいたい一回戦で負ける)」と揶揄されたりした。



ほとんど毎晩のようにSwitchで遊んだ。特に思い出に残っているのは、マリオカートをしたときのことである。

 

俺が「現代は高度情報化社会であり、情勢が変化するスピードも速い。速いものが強いのだ。よって最も速い者を神として敬い、遅いを奴隷として扱う」と言った。

 

僕はスマブラでは負けが込んでいたが、マリオカートなら勝てると思ったのだ。子は親に似るものであり、僕の父は「競馬には負けたが、競輪では負けるわけがない」とか「スロットで負けた金をパチンコで取り戻す」とか出自不明の奇妙な自信をみなぎらせながら、毎週給料を目減りさせているのだが、このときの僕はまさにそれだった。

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結局、マリオカートでは一周回遅れという屈辱的な差をつけられて僕は負けた。負けを取り戻そうとして、余計に傷口が広がった。ロスカット(損切り)に失敗した者はまるでアスファルトの上で干からびたミミズのように惨めである。悔しくて、悔しくて、悔しくて、血が滲むまで唇を噛んだ。僕はそっとコントローラーを置き、三つ指をついて「何かご用があれば私にお申し付けください」と言った。

 

僕はまるで葉巻のように大きなナメクジを3匹飲まされた。ゴミ箱の中で発酵した生ゴミみたいな味がした。

 

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