だから西成あいりん地区を東南アジアって言うのやめろ

地元が大阪の友達と話をした。その時に「(大阪環状線)新今宮駅だけでは絶対に降りたくない。怖い。防弾チョッキを着てライフルを着て歩いてもヤられそうな気がする」と聞いた。

 

そういう話を聞くと、怖いもの見たさで血が騒ぎ、僕は今や唯一無二のネームバリューを誇る「西成・あいりん地区」を訪れた。

 

堺筋線・動物園前駅で地下鉄を降りた。散々ヤバイとか、降りてはいけない駅ランキング(先週からワンランクアップして)一位、みたいな話を聞かされていた。だから僕は改札を抜けた瞬間、凶暴な野生動物みたいな男に路地裏に連れて行かれるとか、銃や麻薬の不法取引が横行しているのではないかと恐々としていたのだけれど、それは杞憂だった。

 

動物園前駅で降りて西側があいりん地区である。そっちに向かって歩いていく。西に向かうほど徐々に工事現場の休憩室みたいな雰囲気が濃くなっていく。噂に聞いていた50円の缶コーヒーを売る自動販売機が目の前に現れた時、西成に着たのだと実感が湧いた。

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道中の安宿(一泊5000円以下)や賃貸物件の前には「生活保護受給サポートいたします」と張り紙があったのに驚く。

 

西成、新今宮といっても、その街全体が不況感に覆われているわけではない。大通りはびゅんびゅん車が走って行くし、まるで才能のない芸術家みたいな政治家が1人で拡声器を持って演説していたし、人通りも多い。

 

ただ、路地裏にはそのような流動性はなく、田舎みたいなのんびりした雰囲気だった。本当に田舎っぽくて、大阪のビジネス街から30電車で分の距離であることに実感がわかない。

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そうこう散歩しているうちに「三角公園」に行き着いた。この公園にはホームレスが集まっていた。公園内には野外ステージみたいなのがあって、そこには屋根もあった。その下で寝ている中高年が何人か寝ていて、公園内にはベニヤ板で作った小屋がいくつもあった。小さい古墳みたいに山盛りになるほど空きカンが積まれたリヤカーとか、荷台に日用品が括り付けられたママチャリも置いてあった。

 

この公園には「みんなのテレビ」という公衆テレビが置いてあった。昭和の時代はテレビが貴重でみんなで集まって、力道山のプロレスを見た、みたいなことをよく言うと思うのだがまさにそんな感じ。

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ちょうどその時間は、ダイレクトテレショップが写っていた。僕はそれをボーッと眺めていた。周りには数人のおじさんがいた(公園の住人かもしれないし、そうではないかもしれない。確かなことはわからない)。すると公園の管理団体の職員さんが現れて「野球のチャンネルにしておきますね」と言ってチャンネルを変えた。テレビの奥には巨大資本の権化みたいなあべのハルカスが見えた。

 

ちょうど僕は泊まり込みのバイトに行く途中、ここに立ち寄った。ホームレスをするよりも、そういう家付き、食事付きのバイトに行けばいいのにと思う。彼らはそういう条件のバイトがあるという事実を単に知らないのだろうか。或いは、知っているが行かないのだろうか。

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ホームレスをするのは愚かなことで、一刻も早くそこから抜け出さないと、地獄の閻魔大王から早晩に総裁を受けるだろう、と思ったのではない。

 

九時から四時まで働いて、時給は1000円で、三食付き(とても美味しい手作りの料理)で、エアコンのある寮に住むことができるバイトが現に存在しているのに、どうして公園で生活するのだろうか?と疑問に思った。

 

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