gone

 


この間、サークルの新歓に行った。俺は手を振られるようにして(本当に手を振っているように見えた)大学から追い出されたので、必然的にサークルからも追い出されている。でも新歓に行けば去年の今頃の気持ちを思い出せるような気がした。死んだ彼女の墓参りに行くような気持ちだった。


1年生がバイトと楽単の話をしていた。「俺の時給1000円超えてるぜぇ卍」っていうのを聞いた時俺はいよいよ絶望した。羨ましいというか、俺には学校に行って、バイトして、遊んで、という生活の可能性がもう無いんだなと思って悲しい気持ちになった。畜生。誕生日がくる度に、若さを失い、若さ故の自由を失い、足元を固められるような気持ちになる。俺は大学を辞めたのは正しい方法だと思っている。でも我慢して大学に通っていればこういう絶望はしなくても済んだはずだ。馬鹿野郎。


講義の話をしていた。ブラック・ショールズ方程式の汎用性と限界についての講義があったらしい。昔から勉強したかった分野で、講義が楽しみなんだって。いいなあ。大学で勉強できる環境を見つけた幸せを味わってね、と思った。
大学は必修と出席確認とコスパの悪さに目をつぶれば地上の楽園みたいな場所だ。