神戸旅行1days~シェアサイクルの祈り~

これの続き

yayayatototo0308.hatenablog.com

 

昔々、ガリガリに痩せた力士みたいに弱っちい女とデートしたことがある。一緒に3分くらい歩いていると「疲れたぁ♡」と言い始めて、こいつウルトラマンの真似してるのかな?と思ったんだけど、どんどん顔が濡れたアンパンマンみたいに元気を失っていく。台所と玄関くらいの距離でしかないのに「こんなに歩いたから疲れたのよ」と言われて「自転車使ってるの?」と聞いた。女は「ずっと家でゲームしてる。自転車の乗り方がわからないの」と言って、シャワーでも浴びるようにして大量の日焼け止めクリームを全身に塗りつけ、両手に日傘を持って暑いとかなんとか文句を言い始めた。俺は騙されたと思って全身に怒りが込み上げてきたから、室伏広治がハンマーを投げるみたいにしてその女をぶん投げてやった。

さて、自転車に乗れない女の子もいるみたいなんだけど、神戸市内の旅行には自転車のライドシェアが便利だった。

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神戸海洋博物館を出て、メリケンパークにシェア自転車が置いてあった。神戸市内の観光地(中華街とか異人館)は密集しているから移動には自転車が便利だと思ってこれを借りた。本当は歩こうと思っていたのだけれど、体力を消耗して途中でバテて、動けなくなったら旅行にならないと思って自転車に課金した。確か昼食代と同じくらいの値段だった。この瞬間、僕の昼飯は神戸東遊園地の木の葉を食べるしかなくなった。貧乏は惨めである。

しかし自転車を借りたのは正解だった。

⑴ 電動自転車だから風に押されているように加速できる

⑵ 神戸は坂道が多く、特に電動自転車が威力を発揮する

⑶ バスを待つ必要がない

⑷ 少なくとも歩くよりは楽

特に⑴と⑵において自転車のメリットを享受できた。

僕はそれまで電動自転車に乗ったことがなかった。何事も初体験は衝撃的なのだけれど、特に電動自転車の威力は絶筆に尽くしがたいものがある。停止した状態から、一漕ぎした瞬間にグッと背中を押されたように、モーターがアシストしてくれるのである。急な上り坂でもそれは同じである。並レベルで庶民向けの自転車で坂を登る時、身体中から汗が止まらなくなって、坂を登り切った後にシャツを絞ると汗の水溜りができるのだけれど、電動自転車で坂を登ると、モーターのアシストのおかげでとても楽に登ることができる。モーターは学歴・年齢・経歴・性別に関係なく万人に優しい。まるで神のような存在である。この日以降、僕はモーターを額縁に入れて部屋に飾り、感謝と畏敬の念を込めて島津製作所・紫野工場の方を向いて一日3回礼拝している。