読書感想文 思い出すには辛すぎる夏もあるの

人に勧められた本はクソだと思え!という格言があるのだけれど、「映画見てから原作読むとか、結末がわかるのになんでそんな事すんの?しょうもなくてやってらんないでしょ」「君はイケメンだけど性格が悪いね」「お前、本読むのが好きとか行ってるけど、小学生みたいなこと言うよな」「たまに頭いいこと言うけど、精神年齢が小学生」「さっきから見てて思ったけど、お前実際チキンだろ」というハイレベルな煽り芸を披露した小学生が面白いと行っていた本があって、それはかがみの孤城である。

 

かがみの孤城

 

辻村睦月先生の本が泣ける、泣ける、という話は伝聞していたのだが、まだ読んでなかった。学校を見捨てたのか、学校に見捨てられたのか、友達が見つからなかったのか、諸々の事情で学校に行っていない中学生が、狼の魔法によって大集合するところから話が始まって行く。中学生同士の会話と学校の愚痴が出てくるのだが、俺も全く同じ話をしていたのを思い出して、郷愁を煽る煽る。

 

ややファンタジー系で、アクロバティックに結末させていた。もっと現実味があるのが桐島部活やめるってよ。

 

 

燃えよ剣司馬遼太郎

 

幕末、江戸幕府&徳川家と死なば諸共の戦いを遂げた新撰組の組長たちが主要メンバーの歴史小説。「竜馬がゆく」は倒幕一派のサーガだから、新撰組は崩れかけた権威にしがみつこうとする残念な集団である。世界の趨勢を考慮すれば攘夷運動とか脳天気なことをしている場合じゃない。佐幕派は日本の近代化を阻害する腐れ外道連中である!みたいなことが書いてあるのだが、燃えよ剣を読むと

 

人はそれぞれ「正義」があって、争い合うのは仕方ないのかも知れない
だけど僕の嫌いな「彼」も彼なりの理由があるとおもうんだ

 

という気持ちになった。

 

それと主人公たちが新撰組の指導部なのだが、戦争の際の大将としての能力とはなんなのだろうか?と思った。サッカー監督でも教師でも人に指示を出す人はこいつについていけばなんとかなるだろ、みたいな信頼感となんか凄そう、というオーラがあるとそれだけでかなり有利だろう。でかい作戦を立てて、臨機応変に軍隊を運用する大将はカッコイイぜ!ということで、防衛大学兵学を学びたい衝動に駆られた。