フジロック2019参戦レポート最終日「カオスな広場」

 

この続き

パート1

フジロック2019参戦レポート「山猿の巣」 - 大和さまのブログ

パート2

フジロック2019参戦レポート 「夜の踊り子」 - 大和さまのブログ

パート3

フジロック2019参戦レポート「夢が始まったぞ」 - 大和さまのブログ

 

三日目、フジロックの最終日である。前日は迫り来る台風の影響により、修行のような大雨に見舞われていたのを覚えている。よってフジロック参戦者の皆さんはこの最終日こそは、という思いがあったはずである。実際、苗場プリンスホテルのトイレットペーパーを片端からパクってきて、てるてる坊主を作る者がいたり、雨雲を遠ざけようとする男衆が野太い鬨の声を上げ、「太陽が俺男だから明日はきっと晴れるだろう」とツイートする者がいたりした者である。

 

さて、僕はというと15時くらいに入場ゲートをくぐった。フジロックはただでさえまるで冷蔵庫を空っぽにするために作ったごった煮のようなカオスである。そして最終日ともなればそろそろタカが外れてきて、この日のカオス指数は前日比プラス13247298375%と輪をかけてカオスだった。南米のカーニバルみたいな雰囲気である。

 

出入り口に一番近い手洗い場にはパンツ一丁になって体を洗っている者がいた。街中の公園で同じことをしたら不審者である。彼は体を一通り洗った後、目を閉じて母に抱かれたような表情でタバコを吸い始めた。ここが日本であることに驚かざるを得ない。

 

僕にとって、この日最初のステージは竹原ピストルのそれだった。「よー、そこの若いの」の人だったりする。バックバンドもダンサーもエフェクトも無しに、ギター一本だけで演奏するその姿はまるで戦国時代の野武士のようであった。

この二週間後、「竹原ピストルのストレートな歌詞がええねん、やろ?女みたいに回りくどい歌詞嫌いやから。俺もああゆう大人になりたいと思うわ。だからずっと髭伸ばしてんねん」と語る男と会ったのだが、そいつの日焼けした顔と伸ばした髭はまるで焼きおにぎりのように見えた。

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竹原ピストルの次はSuperflyのライブを聴きに行った。Superflyはいつ見てもまるで孔雀のような服を着ている、と側にいた観客がつぶやいている。僕は思わず吹き出してしまった。やれやれ。ステージのほとんど最前列みたいな場所から聴いた。スピーカーが目の前にあってとにかくうるさかった思い出しかない。まるで自分のすぐそばで大太鼓を叩かれているようにうるさいのである。

 

ただ、ステージに近ければ近いほど観客の熱量は高く、一緒に盛り上ろーぜー、ウェーイ、ハッピーみたいな雰囲気があるので楽しかった。フェスの楽しさはフェスに行かなければわからないのである。確かにチケットは高いかもしれない。ただ、体が動く限り働くことはできるし、寝たきりになったら即自殺する覚悟さえあれば有り金は全部使って、与信限界まで金を借りた方がハッピーだと思い始めている。というわけでフジロックのチケットに金を投げてもそれで楽しめるならハッピーだよ。

 

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