フジロック2019参戦レポート「VS台風」
この続き
パート1
フジロック2019参戦レポート「山猿の巣」 - 大和さまのブログ
パート2
フジロック2019参戦レポート 「夜の踊り子」 - 大和さまのブログ
パート3
フジロック2019参戦レポート「夢が始まったぞ」 - 大和さまのブログ
FUJI ROCK FESTIVAL 2019 day2
フジロックは3日間にわたり開催されるのだが、その中の1日は大雨で相当酷いことになるのがドグマになっているらしい。実際、フジロック古参の剛の者ほどフジロックと雨の親和性を実感しているらしく「雨が降らないフジロックは、ファールがないサッカーみたいだった」「雨に打たれながら音楽を聴くのが様式美になった」という意見もある。
2019年は2日目に雨が降った。今までに経験したことがない程の大雨で、ナイアガラの滝のように激しい雨が降った。とても濃厚な雨で、雨粒が壁のように見えた。
会場内の低地(水が溜まりやすい所)が浸水して、腰まで水に浸かりながらの移動を余儀なくされた人も多いという。今まで雨具が必須アイテムと言われていたのだが、そろそろカヤックとかウエットスーツの持ち込みが推奨されるようになるかもしれない。
さて、僕はというとフジロックに参戦するのは初めてで、サッカー観戦と同じような装備を想定していた。とりあえずスマホとチケットと財布があればなんとかなって、ガチってる人たちは、グッツに課金する、みたいなイメージである。もちろんスマホとチケットと財布でもなんとかなる。だけどこれだけでは四次元ポケットを失ったドラえもんみたいに無力である。雨具がないとお話にならなかった。
僕もたかが雨に負けたたまるもんか、俺の意地を見せてやる、と鼻息荒くTシャツ一枚で外に飛び出したのだけれど、10歩くらい歩いただけですぐに風呂上がりみたいにずぶ濡れになった。ロクに前も見れないし、真夏の雨は死体のように冷たかった。僕は入場ゲートにさえ辿り着けないまま諦めて部屋に退散した。
その後すぐ、風呂に入りに行った。温泉である。みんな水をぶっかけられた後の芸人みたいに諦めたような顔をしていた。フジロックフェスティバルは本来楽しいはずなのに、疲れ切って憔悴していた。安くない入場料を払って、わざわざ山奥まで乗り込んできているのに、あまりの大雨で退場を余儀なくされるのである。無念であろう。
僕はこんな日はさっさと寝る以外にないなと思って10時くらいに寝た。しかし雨にも負けず、夏の暑さにも負けず、心を鬼にして音楽と対峙しているフジロッカーもいるのである。僕は彼らに畏怖の念を抱き、会場の方を向いて一礼し、さらに1分間敬礼した。どうか頑張ってください。簡単に手に入るものは印象に残らないように、雨に打たれても会場を後にしなかったフジロックの思い出は長年忘れないだろう。